パワーストーンが出逢わせてくれました

その日は平日に仕事が休みになり、友達とも予定が合わず一人でショッピングモールの中をブラブラしていました。
洋服やアクセサリーを何点か買って、これからどうしようかな〜なんて考えていたときの事です。
なにかカランという音が聞こえたと思った途端、一斉にその音は周りに広がりました。
そう、私の手首についていたパワーストーンのブレスレットのゴムが切れて石たちがショッピングモールの床に広がってしまったのです。
もう私は大慌て。
本当に火が出ているんじゃないかと思う程の熱を顔に感じながら必死に拾い集めます。
行き交う人々はほぼ見て見ぬふり。
中にはクスクス笑われているような声も聞こえたり。
お気に入りのブレスレットだったので恥ずかしいやら情けない思いを堪えながら石を拾っていると「はい、これ。」頭上から男性の声がしました。
私がハッと目線を上げるとそこには大きな手の平にのせられたいくつかの石が。
泣きそうになりました。
こんなことで…と思うかもしれませんが、世間の冷たさに晒された後の小さな優しさはなんともいえない程大きく感じるものなのです。
ありがとうございます、と伝えて石を受け取ると「まだあっちにもあるみたいだから。」と言ってわざわざまた拾いに行ってくれました。
なんて良い人なんだと感激しつつ両手一杯になった石たちを先ほど買ったアクセサリーが入っている袋に入れ、このまま帰すわけにはいかないと決心し彼に声を掛けました。
「もしお時間あったら御礼したいのですけど…。」  今思うと普段の自分じゃ想像できないくらいの行動力を発揮しました。
彼は、たいしたことしてないから御礼なんていいと言ってくれていたのですが私の困惑ぶりを見てか「じゃあ、コーヒーでも…。」と譲歩して頂きモール内の喫茶店へ。
コーヒーを飲んで一息つき、一気に冷静になった私。
パニック状態で隠れていた人見知りが顔を出し、お礼を言ったあとは間がもたず出てくる言葉はお見合いのような質問ばかり。
彼はやはり人が良いようで嫌な顔一つせず、きっと特に飲みたくなかったであろうコーヒーを飲みつつ付き合ってくれました。
そうしてわかったのが彼の住まいは意外と近く、隣の中学出身で年齢も1つしか変わらないという事。
ショッピングモールといっても近所の小さな所だったのでさほど驚くことではないのですが、そこから話が膨らみよくある誰を知ってるかという話題に。
共通の友達もいたことから「今度みんなで食事しよう」となり携帯番号を交換することになりました。
そんな出会いから現在お付き合いさせて頂いてます。
こんな少女漫画のような事があるのかと驚きましたが、パワーストーンが出逢わせてくれたとしか言い様がありません。
因みに、そのときつけていたパワーストーンブレスレットにはローズクォーツなど恋愛運に力を発揮する石がかなり入っていました。
もちろん修理して今もつけています。
今度は出会いを求めるわけではなく、彼とずっと一緒にいられるように…。

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