パワーストーンのブレスレットをプレゼントしました
これは、彼女との3年近く前の話です。
彼女とは高校のクラスメイトだったのですが、大学に進学してからは栃木と東京間の遠距離恋愛となっていました。
私はバイト漬け、彼女は部活動漬けの毎日で、時間を見つけてたまに会いに行ってもお互い疲れ切っていて、なんとも味気なく、冷め切ったデートばかりでした。
そんな大学1年の夏、彼女と軽井沢に旅行に出かけることにしました。
一泊二日の予定で、あちこち観光して回る予定だったのですが、お互いに疲労しきっていて、とても楽しめるような状況ではありませんでした。
ある商店街に立ち寄ったときのことです。
軽井沢の夏はにわか雨が多く、その日もにわか雨にあいました。
その時雨宿りで入ったお店が、パワーストーンの専門店でした。
普段はアクセサリーに関心を示さない彼女が珍しく反応していたため、少し店内を見てまわることにしました。
そのお店はその人の生年月日、星座などをもとにパワーストーンを組み合わせてブレスレットを作るというもので、私たちも試しに話を聞いてみることにしました。
そもそも私たちは、生年月日は1週間違い、星座も同じという二人でした。
そのことを店主に伝えると、「それは珍しい。きっと強い縁があるんだね。」とおっしゃっていました。
思い返してみれば、私たちの出会いはたまたま間違えてメールを送ってしまったことから始まり、偶然が重なり合って付き合うまでに至りました。
自分の中でも、「確かに」と思うところが沢山ありました。
彼女は目をきらきらさせていたものの、当時の私たちにとっては手の出るような金額ではなかったため、その場での購入は諦めました。
しかしどうしても諦め切れなかったため、翌年の付き合って2年目の記念日に、なけなしのバイト代をはたいてブレスレットを彼女にプレゼントすることにしました。
化粧箱に入れ、下手ではありましたが自分でラッピングをして彼女の部屋へ向かいました。
夕食後、彼女とおしゃべりしていたときに、「渡したいものがあるから、目を閉じて」と一言いい、彼女の両手の真ん中に置きました。
目を開けた彼女は瞬間的に中身が何か分かったのか、私に飛びついてきてありがとう、と何度も繰り返しながら泣いていました。
私の分も買っていたので、指輪交換ならぬブレスレット交換をしました。
あれだけの笑顔を見たことはありませんでした。
そんなかつてはとても冷えた関係だった彼女との仲は付き合い始めよりも良くなり、今でも離れて暮らしながらも、お互いに連絡を取り合っています。
そのおかげか、最近仕事も上手くまわり、お互いに充実した毎日を送っています。
これからも、そんな運命を大切にしていこうと思います。